豪ドル/円相場は、1豪ドル=92~94円をコアとしたレンジで揉み合う展開に。中国経済に対する信認回復と連動して、9月10日には一時93.57円に達し、6月11日以来となる約3ヶ月ぶりの高値を更新した。ただ、その後はドル/円相場の上昇一服と連動して、豪ドル/円も上げ一服となり、90円台前半で方向性を欠いている。
9月17日にはオーストラリア準備銀行(豪中央銀行)が3日に開催された金融政策決定会合の議事録が公表されたが、「メンバーは一段の利下げの可能性を否定したり、利下げが差し迫っているとの意思を示すべきではないとの点で前回に続き一致した」と総括している。特に利下げが急がれる環境にはないものの、最近の中国指標改善でも豪当局は慎重な景気認識を維持していることが窺え、追加利下げのリスクが払拭できない状況にある。豪ドル相場の水準に対しても、「依然として高水準」との評価が維持されている。足元では、中国景気見通し改善の恩恵が豪経済に波及する流れが確認できていないことで、追加利下げに対する懸念がくすぶり続けることになるだろう。ただ、中国景気見通しの改善が続く中、豪中央銀行が追加の景気刺激を急ぐような環境にもなく、当面は豪中などの経済指標を眺めながらの不安定な地合が続く見通し。目先は23日に予定されている中国の9月製造業購買担当者指数(PMI)が注目される。
米連邦公開市場委員会(FOMC)後のドル/円相場の動向がリスク要因になるが、緩やかなドル高・円安基調が維持されれば、短期スパンでの豪ドル/円も強含みに推移し易い。ただ、豪実体経済の回復は遅れている以上、どこまでの豪ドル高であれば豪実体経済と中銀が容認するのかを打診しつつの、緩やかなペースでの豪ドル買い・円売りに留まる可能性が高い。
テクニカルでは、一目均衡表の雲をブレイクし、支持線は同上限の88.90円水準。サイコロジカルは、前週の7勝5敗から変わらず。14日RSIは61.37。